2014年4月19日土曜日

美味しい、イタリアは!!!

  長野県原村で自分たちのグループを大胆にも、“ラブリーガールス”(!)と名付けた女性たちがいる。彼女たちはペンションなどを経営しながら、原村の活性化に努めている健気な女性たちなので、陰ながら応援している。

  その一人で、「ワンズワース」という英国風ペンションを経営している英国好きのラブリーガールは、英国ラドロー(Ludlow)を訪れて以来、その魅力に取り付かれた。ラドローはウェールズに近く、その昔は交通の要所としてマーケットが立ち、賑わっていた町である。また、英国の産業革命発祥の地にも近く、田舎といえども文化度は高い。その証拠に食べ物が美味しい。その緑豊かな町は、英国人の十八番である散歩とピクニックを組み合わせた"The Great Food & Drink Walk (The MOUTHWATERING Walk)" という催し物を毎夏開催している。そこでラブリーガールも緑豊かな原村で同じような催しをしようと思い立ち、2012年から「ウォーキング、フード&ドリンクツアー」の催しを始めた。

2012年、ワンズワースに集合の様子
英国ラドロー の「よだれたらたら散歩」は、12kmほどの区間を途中で飲んだり食べたりしながら歩くという趣向だ。競歩みたいなレースではなく、のんびりと楽しく、緑豊かなアップ&ダウンのある小径やフットパスを歩くという、如何にも英国人好みの歩き
"WALK"である。それに加えて、数カ所に分かれて設営されているテントで、オードブルからデザートまで順に食することができる。各所ではエールやサイダー、もちろんワインも水も用意されているというわけだ。ラブリーガールズたちもこれをお手本に原村で8kmのコースを設定して、美味しいフードを用意している。2012年初回に参加したが、そこにワインはなかった。ワインがない...!

  ワインにこだわるのは、ラドローの"Yhe Great Food & Drink Walk" は名称を“The Ludlow Magnalonga”とも称している。"Magnalonga" は、ラドローの姉妹都市である北イタリアのヴェローナの近郊にある小さな町サン・ピエトロ・イン・カリアーノで行われているマグナロンガに由来している。そう、北イタリアのヴェネト州ヴェローナ一帯は、ヴァルポリチェッラ(Valpolicella)の生産地。この赤ワインはイタリアを代表する赤の一つである。ラドローのワイン業者は、ヴァルポリチェッラワイン業者と提携して、あるいは真似してフード&ウォークを始めた。温暖化のおかげで英国でもワイン生産は盛んになってきているし、料理の方もゴードン・ラムゼイ、トミー・エイキンズなど、名シェフが持て栄され、美味しい。でも、当たり前のことだが、英国はフードでもドリンクでもイタリアに勝てはしない。特に北イタリアワインと北イタリア料理の上品さは、歴史と風土に基づくもので、だれにも真似できない。


 「グリーンドリーム」
MSN産経ニュース(2014/3/25)で「イタリア農業の“グリーンドリーム”とは?」という記事を見つけた。「経済危機にあえぐイタリアで唯一成長を続けているのが農業だ。特に有機農業で、輸出が増加しているだけでなく、イタリア国内でも健康や環境のために選択する人が増えている。農業を専攻するのが大学でブームになっていて、美しい田園風景というものが、雑踏の都会を離れて住むにも理想的な環境であり、農業は時局にあったビジネスチャンスとなっている。しかも、農業事業にかかわる中小規模の活動を援助している地方自治体もある。たとえば、ロンバルディア、ピエモンテ、ヴェネト、リグーリア、エミリア・ロマーニャ、ウンブリア、ラツィオ、プーリアなどだ」という内容である。


  農業を推進している地方自治体はそのほとんどが北イタリアであり、ペルージャのあるウンブリア、ローマのあるラツィオ、バーリのあるプーリアはそれぞれ文化度の高い州だ。2013年の夏に北イタリアを旅しておもったのは、イタリア人のゆとりであった。産経の「イタリア農業のグリーンドリーム」という記事をみて、納得した。

アグリツーリズモのレストラン
イタリア農業の話を、アグリツーリズモを実践している「ココットビレッジ」のラブリーガールに伝えると、参考になったと喜んでくれたが、「イタリアの目指す方向性が、今後日本でも否応なしにその流れが来るだろうと思っています」と返信に書いてあった。しかし、現状の日本を考えると否応なしには来ないと思う。イタリアの方向性は、イタリア人が長い歴史と文化の上に立って得たものである。否応なしではなく努力して勝ち取らなければ、いつまで経っても農協ののさばる農業貧国日本であろう。

2014原村マグナロンガへどうぞ!  

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