春先になると英国のウッドランド(森林床)では、青いカーペットを敷きつめたように一面にイングリッシュブルーベルが咲きます。英国のイングリッシュブルーベルは、日本の桜のように春を実感する花のようで、英国民に愛されています。
ロンドンの地下鉄District Lineに乗って王立植物園Kew Gardenへよく通いました。その時、温室でイングリッシュブルーベル(Hyacinthoides non-scripta)が厳重に管理研究されているのに気づきました。それは、勢いの強いスパニッシュブルーベル(Hyacinthoides hispanica)との交雑が広がっていたので、イングリッシュブルーベルの個体を守るための研究だったと後になってわかりました。ブルーベルと名前がつくのにはカンパニュラ科のスコットランドのブルーベルもあります。
数年前、友人からブルーベルの種をいただきました。カモマイルなどは、花咲か爺さんのように種をばらまくだけで花を咲かせます。いつものこの方法でブルーベルの種をばらまきました。そのことをすっかり忘れていたある春先、しょぼくれたヒアシンスが咲いているのを見つけました。よく見ると、とても可愛いので早速アレンジして飾りました。その花が、毎春一番に、必ず咲く、けなげなイングリッシュブルーベルだったのです。
ブルーベルの花言葉は「変わらぬこころ、深い想い」。手荒に種を蒔かれてもけなげに咲いたわが庭のブルーベルそのままの言葉です。
今年の春先から順にデザインしたタジィマジィの写真です。