クリスマスツリーを飾る習慣は英国のヴィクトリア女王の時代から始まりました。ヴィクトリア女王は、ドイツ出身のアルバート公と1840年に結婚し、英国民の憧れる理想的な家庭生活を築いたのは有名です。ドイツのクリスマスツリーを飾る習慣をアルバート公はウインザー城に持ち込み、1848年12月「イラストレイテッド • ロンドン • ニュース」紙は王室のクリスマス風景の挿絵を紹介しました。それ以来、英国ではクリスマスツリーを飾ることが定着し、アメリカ合衆国にも広がり、世界中に広まっていったのです。
2012 クリスマス飾り |
クリスマスツリーと言えば、ホワイトハウスのクリスマスツリーやニューヨーク • ロックフェラーセンターのクリスマスツリーが超有名です。それを思いながらクリスマスの時期に旧大陸に行くと少しがっかりします。
オーストリアの家庭でクリスマスにお呼ばれしたことがあります。さぞ大きな生の樅の木に、スワロフスキー製のオーナメントをぶら下げているだろうと期待していたのに、部屋には樅の木はありません。クリスマスツリーは飾らないのと訊ねると、小さな子供がいると飾るけど飾らないとのことでした。出窓のところに樅の大枝、小枝を並べて、そこにクリスマスの飾りを付けていました。それも金、銀キラキラではなく蜜蝋のロウソク、ストロー細工のオーナメント、木彫りのヨゼフ、マリア、イエスの像などです。クリスマスツリーを立てる場合も、同じような素朴な飾りつけをします。ロウソクは枝につける金具に立てるので、時々火事を引き起こすらしいです。